のぶ子、オバハンでも負けないもん

ゴールデンウィーク前半に、
両親の介護のために実家に帰った。

不要不急の外出はしたくないのだが、
母のPET検査に連れて行くのと、
母の介護施設の人との面談があったのと、
父の腰の状態が悪く、無理をさせないようにとの配慮からだ。

家に着いてゆっくり過ごすまもなく、
午後からのPET検査に連れ出すのも大変だった。

4月後半だというのにヒンヤリした日が続くなと思ってたら、
その日は暑かった。

それなのに、のぶ子は冬仕様の長袖アンサンブルニットを着込み、
ツイードのパンツを腰パンのようにはきこなしていた。

お腹が出すぎて、ウエストのボタンが閉められてなかったからだけど。


なぜにその服を選ぶのだろうか?と思った。
手が不自由だというのなら、ゴムのウエストのものをはけば良い。

私が紺地に水玉の細身のパンツをはくたび、それが良いというので、
妊婦さん用だけどお腹周りゆったりの細身の水玉パンツを買ってやった。

あるのにはかない。人のものはほしいけど、新しいものはイヤなのかもしれない。


さて、車椅子に乗る気満々ののぶ子と、
車椅子に乗ってしまうと私が2台押ししないといけなくなると
気遣って留守番すると言う父をおだてて車に乗せ、
時間の余裕を持って伝えてよかったと思うぐらい時間をおして出発することになった。


PET検査に同行するのは私は初めてだった。

腰が痛いとはいえ、車椅子に乗せずとも杖をサポートに歩ける父には
少しでも筋力を落とさないようにがんばって歩かせ、
口が減らないのぶ子だけを車椅子に乗せて病院の中を移動した。

PET検査の後、何度もトイレに行きたがるから、何度も介助に入った。

手は指先をぬらすだけでいいという持論を展開するのぶ子に辟易した。
手は石鹸で洗うものじゃないのだそうだ。

のぶ子の手に石鹸をつけてゴシゴシしたのは言うまでもない。
かなりイヤがられたけれど、無理矢理洗った。

このご時世でなくても、手を洗わずに出てくるのを当たり前って、アカンやろ。


大腸菌がぬいぐるみみたいに目に見えたとしたら、
のぶ子はたくさんぬいぐるみに囲まれていることだろう。

「オバハン」なのにぬいぐるみ背負って抱っこして、体中ぬいぐるみだらけな人。
大腸菌じゃなければそれも可愛いオバハンとして許されるだろうけどね。



さてさて、今回の介護の日々は、また過酷であり、
トイレとのぶ子との戦いの日々だった。

トイレ問題は生きていく上でだれもが必要な部分だから仕方ないとして、
トイレを詰まらせる原因を作ったのはのぶ子。


表現に気を配ったとしても不快感を受けると思うから詳細は書かないが、
いくら娘でもツラすぎる日々だった。

それでも、業者さんに来てもらうためにはどうにかしなければならない。
介護担当者さんたちの面談もあるから掃除・消臭は必要不可欠。

ひたすら食べて飲んで、本能のままに出して、飲んで食べて、出して眠る。

この繰り返し。

アレやれコレやれ、人のものは自分もほしいから早く用意しろ。

ふざけんな!オバハン!!!!

キレた私。


介護するときは怒らないように気をつけてるけど、
介護してるときじゃない。


「ぶりの刺身には、やっぱり日本酒が合うのよ。あんたも飲みなさい」

どこにぶりの刺身が残ってるんですか!!???


「朝から梅酒飲めるのってしあわせよね。飲みたいから蓋開けて。」
「あんたも梅酒飲みなさい。私が漬けたのよ(漬けたのは父)」

朝から酒飲むなよ!!!
私は朝からお酒は飲まないんだって!!!

ガンは寛解したと診断されたものの、
これから生活習慣病と骨折との戦いが始まると言われてる。


糖尿病、肝硬変、すでにがん細胞によって肩の骨が骨折等。

お酒飲んでる場合じゃないよ。
250ミリの缶ビールを開けろって上から言ってくる。

カラダによくないからやめとこ、って言っても自分が飲みたいから飲むんだと聞かない。


のぶ子のウンチに染まるお風呂の浴槽を掃除してる最中でもお構いなしに命令してくる。


あまりの腹立たしさに、思いっきりビール缶振って、
テーブルの上に叩きつけ、プルトップを開けてやった。

ブッシュー!!

私がイジワルすると父に泣きついてたけど知らんふり。



今回も、父が準備するのも待たずにまっ裸になってお風呂場へGo。

「石鹸で身体洗わなくていいのよ!早くお風呂につからせて!」

と持論を繰り広げ、
父が服のままお風呂に入らないといけない状況を作り出した。


お父さん、私代わるからお風呂から出てくれる?

シャワーを出して、のぶ子のオシモとお尻を洗ってやった。

「洗わなくていい!お湯さっとかけたからそれでいいねん!!」

文句を言われながら、自分の風呂上がりのパジャマがシャワーでぬれてしまいながらも
なんとかのぶ子を風呂の中に入れた。

(ふざけんな!オバハン!!!!)


今回の数日間は「オバハン」って言葉が私の中で湧き上がった。


オバハンってもう少し若い人って感じがする。
なぜに母に対してそう思ったり言ったりしたのか。

もっとなじるような言葉もある。
でも言わない。

腹が立とうがやっぱり親だからか。
それは分からない。




父が倒れたりして、急に入院しないといけなくなったら困るでしょ。
だから、ショートステイを利用できるようにしよう。

「だって、私ここの場所が一番好きやもん」
「ねぇ、ここいいところでしょ」

介護士の方々に訴える。家から動きたくないと。


去年の8月に父が重度の貧血で入院しなくちゃいけなくなったとき、

「お父さんに帰ってきてって言ってんのに、帰ってこぉへんねん」
と電話をかけてきたのぶ子。

母が心配だと入院を切り上げて帰ってきた父。

11月に母を抱き上げようとして圧迫骨折した上に、
今年3月に無理をしてまた圧迫骨折して、痛みを我慢しすぎて一時期寝たきりになった父。

母を置いて入院なんてしてられへんから、と。



父がいなければ、私たちを電話で呼びつけるか、
隣の奥さんを呼びつけて足にするか。


せっかく介護認定がおりたから、人の助けを借りようよと言ってもイヤだという。

家から出たくない、お父さんがなんとかしてくれる。
娘2人産んだったからなんとかしてくれる。
(↑これははっきり言われた。私らは人間ですから!)


30日介護の方との面談が終わって帰ろうと思ってたら、
5月1日、PET検査の結果を聞く診断の予約が入ってることに気づいた私。

ああ・・・、ほって帰られへん。もう1泊しなアカンのか・・・。

4日間はツラかった。
1人で2人を介護しながらウンチの片付けやトイレの詰まりを直すのに奮闘し、
家事に買い物に病院。

世の中の介護をされている方、スゴすぎると思った。

もともと母と折り合いが悪いから一緒には住めないと思ってたが、
やっぱり住めない。

3日ぐらいならガマンできる。

畳みにこびりついたウンチを跡形もなくなるまで掃除するとか、
和式トイレにつまった○○とたたかうことさえなければなんとか平静を保てる、かも。

いつも黙ってモクモクと作業する。

今回も黙ってしてた。途中までは。


ホンマ、なんなんこれ!!??
という言葉が口からもれだして仕方なかった。

作業中に呼びつけられ、
「できないからやって!!、今じゃないとイヤ!!」
という、のぶ子の欲望(←欲求というより、欲望)に振り回された。

ガマンの限界を突破したら、しゃべらないと気持ちのバランスが取れないのかもしれない。


介護生活って長く続くと言われる。

のぶ子の母、つまり私の祖母は、103歳で亡くなった。

亡くなるまでは、農家を営み、伯父の食事を準備していた。
寡黙で、孫の私たちにも気を遣う人だったと記憶している。

母は、その自分の母親を、
「おばあさん」
と呼び、自分の親を気遣うことはなかった。

今回実家に戻って自分の心がぺちゃんこになると思った私は、
仏壇の横に置いてある祖母の遺影に文句を言いに言った。


ちょっとおばあちゃん。おばあちゃんの育て方、アカンかったんじゃない!?
甘やかしすぎて、わがまま大魔王に育って、どうしようもないんだけど。
ちょっとのぶ子を叱ってくれへんかな!!

末っ子でわがまま放題なのか、ほったらかし放題なのかしらないけれど、
お父さんも私もホンマ大変やねんで!!
おばあちゃん、頼むわ!


涙をこらえながら、何度も訴えにいった。
こんなの初めてだ。

人は何かにすがらずには生きていけないのかもしれない。

それが神様だったり、考え方だったりするのかもしれない。
声を出すことかもしれない。


普段は精神的バランスを取るように瞑想してる私でさえも、
通常ではないことにぶち当たるとたちまちバランスを崩す。


「オバハン」という言葉が飛び出したことも
その1つなのか。

「オバハン」を言うことで、バランスを取ったのか。

ワルグチを言って気持ちを落ち着かせようなんて思わない。
人のワルグチを平気で家族に大きな声でうれしそうに言うのぶ子を見てきて、
全然うれしくなかったもの。



怒りは何も生まない。
だからか。
最近何をも生み出していなかったな。


情報を遮断して、ひたすらルーティンの作業をする。
マスク作り、はかどったよ。

ミシン壊れてたから、手縫いで10枚。合計14枚作った。

パッチワーク用にと置いてた可愛い布たちが役に立った。
引っ張り出したついでに、ハギレを細かく切って、
ボンドで貼り付けた。
クレイジーキルトの簡易版。

少し生み出せた。少しずつ自分を戻そう。

今朝、オンラインセミナーでおもしろいことを学んだ。
のぶ子のこととつながるなと思った。

そのことはまた次回に。覚えてたら、ね。





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