のぶ子、反省する

のぶ子が反省をした。

知りうる限り、
「謝る」「反省する」
をしたことがない。

確かに、口ではそれらしい言葉を発したことはあるが、
心が乗ってなければそれは謝罪でも反省でもない。

それなのに、のぶ子からそんな言葉がもれた。

どうした!?


先日父の白内障手術につきそうために平日仕事を休み、
前日から実家入りして母の介護担当者や地域包括の担当者と
介護や転院の話し合いをした。

リハビリ病院に転院すれば、2ヶ月以内に退院しないといけないらしい。

以前、脚の骨折で転院受け入れしてもらったときは、3ヶ月。

今回は肘の骨折なので、弱った脚の機能回復も含めていたとしても2ヶ月らしい。


その間にもとのような生活が送れるようにするか、
介護施設に入るかしないといけない。

父がひとりで母を介護することは難しいからだ。
そのことも含めて、医師とも話し合いをしていたところだったのに、
もう転院の話が出てきたのかとびっくりもしていた。


がんによる左手の後遺症があり、骨折による右腕が不自由な状態で、
のぶ子にはリハビリを頑張ってもらわないといけない。


もともと頑張るのが苦手な人で、
柔らかいボールやお手玉をにぎにぎして左手の機能回復をしようねと言ってたのに、
すぐに飽きてポイッとほったらかしにしてた。

脚の筋肉も弱くなったし、むくみもひどいから、
少しでも脚を動かそうねと言い聞かせても、
すぐにやめてじーっと座って動かなかった。

そんなのぶ子が、自分で言った。
「すぐ疲れたってやめて、全然がんばらへんもんねぇ」って。

ほんまやで、お母さん、すぐにやめちゃうもん。
もうちょっと続けてほしいなぁ。

そう言うと、反省の表情になった。

あれ?なんかいつもと違うな。
珍しい。


先生にリハビリしてもらってる最中だったからか、
気持ちが落ちてたからなんだろうか。

鬱?

丁度その日は母の誕生日だったので、
普段は絶対に食べ物は持って行かない私だけれど、
特別にケニヒスクローネの「近日」というちっちゃなクローネと
プリンが入ったセットを持って行った。

その時、食べたい!って言うから近日を食べさせたら、
「甘い」「量が多い」と言い出した。

以前入院時に、妹が買ってきたビアードパパのシュークリームをペロリと食べた人が?
看護師さんに怒られようが屁とも思わない人が?

抗がん剤の影響で味覚がおかしくなってるからとも言えるけど、
なんだろうなぁ。いつもと違うな。

そう思っていた。


私に、「あんたらに迷惑かけて悪いね」と言う。

そんなこと一度たりとも人生で言われたことがない。
どうしたんだ!!??

心配で少し長めに病室にいたけれど、
その後は特に目立っておかしな様子もなかった。

プレゼントのお菓子はまた食べられるようにとベッドのところのテーブルに置こうとしたら、
「持って帰って!看護師さんに怒られるから」と言う。

「食べていいか聞いてないから」

いや、もう食べさせちゃったし。
前はそんなこと気にせず、食べ物ないか?と私に手を出してた人が。

ベッド脇の引き出しに隠して帰ったものの、
そこも気になるポイントだった。

翌日かな、妹が父を連れてお見舞いに行ってくれたとき、
のぶ子は大反省をしていたらしい。

そして、
「もう死んだ方がいいんやろ」
と言って、父を激怒させたらしい。

どうした?のぶ子。

120歳まで生き続けられそうな生命力の塊みたいな人が、
なぜそんなに反省しまくってるのだろうか。

抗がん剤治療はもう終わった。

あとは、回復を待つだけ。
髪の毛も生えてくる。
味覚もだんだん戻ってくる。

美味しく食べられなかったことがそんなに重くのしかかってるのか?

自分の父親さえもバカにして、
自分の旦那さんをもバカ呼ばわりして、
娘たちに無茶降りして、
ホント、我が道を行き、反省しない人がどうした?

これも病気のせいなのだろうか。
だれかに何かを言われたのだろうか。

看護師さんに何を言われても、
負けん気で戦いを挑んだ人なのに。

あんな弱気な、反省をするのぶ子は見たことがない。

白内障手術をしてよく見えるようになって、
ご飯もしっかり食べられるようになってほっぺがピンク色になった父とは対照的に、
弱さを感じる。

今週末に休みもらって病院に行こうと思う。

まだ先に行くつもりだったけど、
気になるから行こう。




去年の8月からスタートしたこのブログでも分かるように、
私の気持ちだけでなく、
両親の様子もどんどん変化している。

親が年をとるっていうことは、
自分自身も年を重ねてるってこと。


私が今後どうありたいかを考えるとき、
親を見てしまう。

ああなりたくない、健康で生涯を過ごしたい。
保険も必要だ、お金のことも考えないといけない。

いろいろ出てくる。

ただ、ネガティブに傾かないようにしたい。

ネガティブな現実を引き寄せてしまうから。

ポジティブに、母の前でも、父の前でも、
自分自身を豊かに楽しく生きられるように意識する。

しばらくはそれでいい。それがいい。
自分が豊かな気持ちでいるのが一番だと思うから。


まだまだ学ぶことが多いもんだな。





f119b0385626f05c5ea91dd26dbfdc88_s.jpg













この記事へのコメント