のぶ子、上から上から王座から

昨年末から入院していたのぶ子が帰ってきた。

1日に2回目の抗がん剤点滴をしてから退院の予定だったのが、
3日になった。

1日は病院の都合で点滴治療ができないとのことで2日になって、
そのまま帰ってもよかったのに、3日に帰るとのぶ子が言ったらしい。

31日の日に主治医と面談があって、
病状はよくなってるらしいと聞いて安心してたのに、
入院前に家でまたこけたらしく、
右腕のひじあたりをヒビか骨折したとのこと。

どれだけ転けるんだろうか。

脚の筋肉が弱ってきてる上に、
ぽってりの上半身を支えきれてない。

そして、老いのために背中が大きく前傾してるために
重心が安定しないようだった。

体重も70㎏近くあるよねとみんなで言ってたカラダが52㎏とは、
筋肉量がかなり減っていることもわかる。

太り始めてからほとんど運動せずに食べて座って寝て暮らしていたので、
今更運動ができない。

さらに、全身あちこちに小さな骨折があるとPET検査で判明。

夏にお尻のところが痛いって言ってたのは、
大きながん細胞があっただけでなく、仙骨が折れてたからってことも分かった。


「娘さんの30年後の姿だと思っといて」
と医師から言われた。

確かに筋肉が少なくて体重がかなり軽い私。
絶対にあんな風になりたくない!今から意識して筋肉を付けよう!と思った。

年を重ねて女性ホルモンが減ってくると、骨が弱くなるらしい。
女性ホルモンがずっとあると乳がんになりやすいから、
閉経してだんだん少なくなってくるのだとか。

人間の身体はよくできてる。


主治医からの一番の注意事項は、薬の管理ができないから
時々チェックすることを名目に家に帰ってあげてくれとのこと。

それは心得ているが、毎日行けるほど近くに住んでいるわけじゃない。
1ヶ月に1度か2度泊まりに行くぐらい。

自分ちに帰ればぐったりして次の日は何もしたくないぐらい実家では動くのだ。

老齢ふたりの晩ご飯タイムの早さに追い回されてぐったりするのもある。
行くたびのぶ子のわがままに振り回されるのもある。

のぶ子はどういう状態でも、
上からものを言う。

見舞い時でも、トイレタイムに遭遇すると分かる。

看護師さんにお尻拭いてもらうときもまったく言うことを聞いてないし
上から返事してる。

3日の退院の時、息子にも来てもらった。
車椅子を借りて返しにいってするなら荷物もあるし、
ひとりでも手がある方がいいからと思ったから。

彼はよく動いてくれて、
病棟から車椅子を借りて外来まで降り、
病院外来の車椅子を借りて連携したとき病棟まで返しにいってくれて、
その間に私が駐車場まで母を車椅子で運んで車に乗せて戻ると、
息子がその車椅子を返しにいってくれて。

ホンマに助かったのだ。

だけど、その孫に対する物言いがひどい。
「あの子は役に立つな」

息子はものじゃないんだから。
「役に立つ」って失礼じゃないか。息子がいないときでよかった。

のぶ子には感謝というもんがないのかと常日頃思っているが、
この言葉にはあきれてしまった。

自分自身に対して、有益かそうでないかで判断するのぶ子。
そののぶ子ルールは大抵二転三転するのだが、
思ったことをすぐに口に出すところが困ったちゃんなのだ。

遠くから見てるだけなら、無邪気な人だとか素直な人だとかで済む。

このブログでも何度も書いたが、
上から発言があまりにも多すぎる。

人をなんだと思ってるんや!と父がよく言うのが分かる。


ただ、今年の正月はかなり平穏に過ごせた。
のぶ子不在のためだ。
とても静かでよかった。

31日から3日まで毎日行った病院では、
のぶ子が要求ばかり言っきて騒がしかったけど、
家にいないからゆっくり時間を過ごせたのだ。

私としてはよかったと思う。
父とものぶ子がいないと平和だねと話してたぐらいだから。

私とふたりだったからか、父が母とのなれそめを話してくれた。
思わず、エライモン(者)掴まされたなぁ、お父さん、って言ってしまった。


昨日読んだブログにこう書いてあった。

「有難(ありがたい)」の反対は、
「当たり前」だと。

(どなたのブログだったか忘れたが、とても心に響く内容だったのは覚えている)

のぶ子にはなんでもしてもらって「当たり前」なのであって、
「有難」と思ってはいない。

看護師さんにも、父にも、ご近所さんにも、
してもらって「当たり前」だと思っているから
言うことがすべて上からになるのだろう。

娘のことは足元にころがる石だと思ってるのかというほどだもの。

最近は私自身が変化してきてるからか、
のぶ子からどう言われようが気にせずにいられることが増えてきた。

私には私としての価値があるから、
どんだけ上から言われようが踏みつけるようなことを言われようが
傷つくいわれはない。

そう思えるようになったことでのぶ子と対面するのがずいぶん楽にはなった。

心が豊かになったのだと思う。

私は豊かな気持ちを持ち続けて年をとろう。
「有難」気持ちを大事にしよう。

だれかに向けるのだけじゃなく、自分自身に向ける感謝。それって大事。

よくやってるよ私、ってたまにつぶやくと
お腹の真ん中辺りがじわぁって暖かくなる。

自分を大事にしなくちゃ人をも大事にできないから、
これからの日々のために私に感謝だ。





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