のぶ子、暴君として君臨する

令和元年がもうすぐ終わる。
年末だというのに、まったくお正月気分にはなれない。

30日からのぶ子が抗がん剤治療のため
数日また入院するからということもある。

昨日実質的な仕事納めをしたものの、
年賀状の準備が全くできてないのと
部分的な掃除をするに終わってるせいで
「ケリ」がつかない感じがするからかもしれない。



さて、父の白内障手術のために家族を呼んでくれと言われて、
私は22日から実家に帰っていた。

相変わらずソファの上にでんと座って動かないのぶ子とは対照的に、
細やかに動き回る父が少しでも楽になるかと、
掃除に洗濯にいそしんだ。

日曜は昼から行ったので、父を買い物に連れて行くなどして、
掃除を始めたのは夕方からだった。

けれど、晩ご飯の準備をするまでは分刻みで働いた。

台所仕事は父はあまり得意ではないので、
料理やら片付けをさささっとしてくれる「手」があるのに安心してるみたいだった。

数日前、庭の土が入ったプランターを運んで以来、
母はまたうまく歩けなくなったらしく、料理をするどころではなかったのだ。

前にも増して何度もこけるようになった。

11月末のお風呂で溺れた次の日は右足の反応が悪かったが、
今回は左足がほとんど動かせずに、
たった3㎝も満たない段差さえも超えられなかったのには驚いた。

一体何がどうなったのか??


その晩、100均で買ってきた桶(プラスチック容器)にお湯を入れ、
足湯をしてやった。

足のむくみがひどく、氷のように冷たい。
そして、親指の巻き爪がお風呂事件の時以来気になっていて、
爪を切ってあげたかったからだ。

ところが、巻き爪のことを言うと、
急にのぶ子は爪切りを取り出して足の爪を切り出した。

「自分でやったらあかん!やってもらいなさい!」
と父が大きな声で怒鳴っても聞く耳持たず、
大きなお腹に苦労しながら必死で爪を切っていた。

私が何を言っても止まらない。
父の言葉さえも届かない。

人の言葉を完全無視するのだから、たまったもんじゃないのだ。

結局、足湯しながら爪がふやけたところで、
巻き込まないように固定しながらきれいに切ってあげた。

のぶ子自身が切った状態では、足の指に食い込んでいたから。

自分で何でもできるって証明したいのかもしれない。

2階にも上がると言って聞かないぐらいだから。




身体の状態は一進一退で、調子のいいときもあればそうじゃないときもある。

のぶ子のマイペースぶりも相まって、
父もひとりで対応でききれずにイライラしていたようだった。

23日は、
早朝から来てくれた妹と私と3人で市役所に行ったり、
食料品の買い出しに行ったり、
その後病院で3時間待たされたりしたが、
終わった後遅いお昼ご飯を食べながらも父はご機嫌だった。

そして、しばらく家に帰りたがらなかった。

コーヒーの美味しいお店があるからと行きたがり、
朝に買い物したにもかかわらず、
のぶ子にお菓子を買ってやりたいとスーパーに寄らされた。

その間中、何度ものぶ子から電話がかかってきて、
「もう、どこにいるの?心配やから早く帰ってきて!」
と言う。

11時ぐらいに家を出て、
病院が終わったのが14時過ぎで、それからスシローでお寿司を食べたから、
確かに家を留守にしてる時間は長かった。

でも、「美味しいコーヒーを飲みたい」という父の願いも叶えたいから、
もう少しかかりそうと電話を切ったら、
父の携帯に何度もかけてきたようで。

毎日ふたりだけで、のぶ子のわがままに付き合い、
のぶ子よりも7つ年上の父が介助をする。

11月末に痛めた腰は、腰骨(どこの部分かは不明)がヒビが入ったか骨折してたらしい。

しんどいだろうなと思う。
気持ちの部分でも。

だからデイサービスを利用したらいいと言ったけれど、
のぶ子がイヤだと言うからそれを尊重する。

のぶ子は、「私の言うこと何で聞かれへんの!!」と言う。

これは私が子どもの頃から。


はっきり言って、「暴君」だ。

自分が思ったとおりにならなければ、相手の首を切るタイプの人。

徹底的に。


こんな暴れ馬の手綱を引き続けた父はホンマにスゴいと思う。

引きずられてることも多いけど 笑


そんなのぶ子にしてやったり、ってその時思ったわけではないが、
おもしろいことがあった。

足湯をしていたとき、容器が片足ずつ入れるぐらいの大きさだったので、
お湯がすぐに冷めたから何度かお湯を差し入れた。

最初は沸かし立てのヤカンのお湯を入れてたので熱かったと思うけど、
なくなったからT-falで沸かしておいたすこし冷めたお湯を差し入れたのだ。

その時、「熱っ!」って動かなかった左足がビクッと反応した。

文字通り飛び上がるって感じで。

足の甲にちょっとかかったみたいだけど、実際は40度ぐらいのお湯。

熱くないのにと笑ってしまった。

まあ、あれほどに足(脚)が上がるのなら大丈夫か。
3㎝も上がらなかったのが、15㎝は上がったからね。

その後お風呂に入りたいと風呂場に行ったものの、
浴槽がまたげずにシャワーでガマンしたのぶ子にパンツとズボンをはかせ、
寝床に連れて行ってホッとした。

のぶ子は変わらない。
見た目は変わったし、カラダも不自由になったけど、
精神は何にも変わってないなと思った。

あくまでも、「のぶ子様」として生きていく姿勢は変えないつもりなのだと。

だれかの手を借りるのも、のぶ子様にとっては当たり前のこと。
自分の思う通り人が動くのが当たり前のことなのだ。

とっても自分のことが好きなのだと思う。
長生きするよ。

のぶ子みたいになりたいとは全く思わない。

私は今、自分自身を大事にすることをしている。

他人を大事にしすぎて自分を後回しにしてきたウン十年。
これからは私らしく自分を愛をもって大事にすると決めたから。

母と娘ってこじらせやすいと思う。
でも、私自身のココロが変わったから付き合いが楽になってきたような気がする。

長生きするだろうからってあと50年生きるわけじゃない。

このわがままな「おじょうさん」とうまく付き合っていくには、
自分を大事にしなくちゃ。

そうだよ、そうしよう。



4aff41d6a45e214414f79a147213b9c9_s.jpg










この記事へのコメント