のぶ子、漆にまける

のぶ子は山に行くのが好きだ。
山というか、
森の中をハイキングするのが好きなのだ。

私の実家があるところは、
山を切り開いた新興住宅地で、
かつては少し歩けば森に入ることができる
ハイキングにはもってこいの場所だ。

子ども会のハイキングにはよく参加した。

積極的にのぶ子が行きたがったから。

私が小学生の頃はまだのぶ子の足腰もしっかりしていて、
元気よく動いてた。

山で育ったおかげなのか、
のぶ子はハイキングが大好きだった。

母方の田舎の家は山の上にあって、
お隣さんとは山1つ分ぐらい遠い。

木造の平屋の家と蔵と、伯父が住む離れとがあった。
農作物を入れる小屋みたいなのもあった。

「のぶ子、糸を通せず悔しがる」でも書いたが、
のんびりした環境の山の中でのぶ子は育ったのだ。

だから、虫が出ようがヘビが出ようが平気。

子ども会のハイキングでも、虫が出ようが気にせず、
むしろ気づかず踏みつけて行くほどだった。

山の中にあるものは何でも触り、
口にできるものは何でも口に入れる。

子ども会のメンバー以上に子どもみたいな人なのだ。


そして、なぜかいつもかぶれて帰る。

よく漆の葉に触れてしまうみたいだった。
山に入るたびにほぼ毎回。

なぜ触るんや?と父から問い詰められても、
どれが漆の木なのか分からないから仕方ないと答える。

山育ちなのに?

そして、ほぼ毎回なのに?

昔は今のようにインターネットなんてなかったから、
現地でどれが漆の木かなんて調べることはできなかった。

それは仕方ない。

だけど、家に帰ったら植物図鑑ぐらいはある。

そして、なんでもかんでも触らなければ漆にまけることはない。

ハイキングコースを歩いているだけじゃかぶれることはない。
だって、他の人たちだれひとりかぶれたってことは言ってなかったもの。

のぶ子はなぜだかひとり、藪の中に入りたがる。

藪の中が好きなのだ。

藪の中ではばかりをするのが気持ちイイかららしい。

野性的だ。自由だ。
列からはみ出すのが好きなんだ。

正直、その時はそんなに外れたことをしてるとは分からないんだけど、
やってることを振り返ると、
かなり突拍子もないことをしていると判明する。

自由な考え方はいいと思う。
自分で責任を持てるなら。

のぶ子の場合、自己責任なし。

これでいいのか?と子どもの立場でもツッコみたくなったことが多い。

反面教師で育った娘。


2週間ほど前、主治医からツッコミが入ったとき、
妹が言ってた。

「まあ、私も天然なところがあるから」

えっ?そこ??

私もよく人から天然ちゃんて言われるけど、
のぶ子の遺伝子とは違うよ。

私は社内でもかなり真面目で通っている。
藪の中で憚らないし、
漆にまけるようなところに道を外したことはない。

創作をするときは、
あえて脳とカラダを自由に解放する。
自分の思考にスキマを空ける間隔とでも言うか。

それは人には見せない部分だし、
天然とは言われない。

私は周囲には溶け込みつつ、溶け込めない部分は黙ってやり過ごす。

のぶ子は、のぶ子自身に周囲を溶け込ませ、
竜巻を起こして周囲に影響を与えて去って行くタイプで、
「天然」というよりも、「台風」と言うべきか。

私たち家族はそれでも、家族の一員として見守って行くしかない。

抗がん剤治療をしていても、変わらずパワフルだそうだから、
早く回復して通常運転再開してくれることを願おう。

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アウトドア用品をレンタルできるサービスがあるらしい。
登山やキャンプに必要なものもサイトを見れば一目瞭然。





便利な世の中になったものだ。
それも、全国配送してもらえるとは。

買いそろえたらずいぶん高くつくけど、
レンタルだからフル装備でも買うより安くつくのがいい。

登山用品を自分でコーディネイトしてレンタルできるそらのした

富士山に登るときも、もっと低い山に登るときも
キャンプをするときも、レンタルして、
使い終わればそのまま返す。

今どきのキャンプはレンタルが一番だな。
のぶ子に「トレッキングポール」を持たせたら、
喜んで藪の中に入っていくに違いない。

ああ、こわいこわい。







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