のぶ子、頂戴をする

のぶ子の病室にある食事台の引き出しに、 みかんとぶどうと柿が詰め込まれてる。 父からの差し入れだ。 病院食だけでは足りない。 間の時間に食べるためなのだ。 お見舞いには何度も足を運んでいるが、 私は差し入れを持って行ったことはない。 向こうでお茶を買ってあげるぐらい。 なぜなら、「食べ過ぎ!」警報が主治医から出ているからだ。 もちろん、入院する前から会うたびに着々と肥えていくのぶ子に 焦りと不安を感じていたからというのもある。 後々介護することになったら、 果たしてこの重いカラダを支えられるのだろうかと心配だからだ。 介護の仕事をしている友達の話では、 上手く支えるやり方があるらしい。 ただ、私はそれを知らないし、腰痛持ちでもあるし、 私の体重の倍とまではいかないけれど、 それに近い体重を支える毎日を過ごすのは勘弁願いたいから。 せめて、10~15㎏ぐらいは減らしといてほしいのだ。 今更なことだけど。 さて、病室に行くと、のぶ子は 「おしゃべりしよう!」って言うか、 「何持ってきてくれたん?」と 右手を出してくる。 「ちょうだい」って子どもみたいに、手のひらを上に向けて 私の方に差し出す。 何も持ってきてへんよ、と言うと、実に残念そうな表情になる。 入院してからますます肌つやがよくなって、 カラダが丸くなったような気がするのは気のせいとは思えない。 入院中、退屈ですることが…

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