のぶ子、漆にまける

のぶ子は山に行くのが好きだ。 山というか、 森の中をハイキングするのが好きなのだ。 私の実家があるところは、 山を切り開いた新興住宅地で、 かつては少し歩けば森に入ることができる ハイキングにはもってこいの場所だ。 子ども会のハイキングにはよく参加した。 積極的にのぶ子が行きたがったから。 私が小学生の頃はまだのぶ子の足腰もしっかりしていて、 元気よく動いてた。 山で育ったおかげなのか、 のぶ子はハイキングが大好きだった。 母方の田舎の家は山の上にあって、 お隣さんとは山1つ分ぐらい遠い。 木造の平屋の家と蔵と、伯父が住む離れとがあった。 農作物を入れる小屋みたいなのもあった。 「のぶ子、糸を通せず悔しがる」でも書いたが、 のんびりした環境の山の中でのぶ子は育ったのだ。 だから、虫が出ようがヘビが出ようが平気。 子ども会のハイキングでも、虫が出ようが気にせず、 むしろ気づかず踏みつけて行くほどだった。 山の中にあるものは何でも触り、 口にできるものは何でも口に入れる。 子ども会のメンバー以上に子どもみたいな人なのだ。 そして、なぜかいつもかぶれて帰る。 よく漆の葉に触れてしまうみたいだった。 山に入るたびにほぼ毎回。 なぜ触るんや?と父から問い詰められても、 どれが漆の木なのか分からないから仕方ないと答える。 山育ちなのに? そして、ほぼ毎回なのに? 昔は今の…

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