のぶ子、溝にはまる

のぶ子は花や植木の手入れをする。 土いじりが好きなのだ。 私が子どもの頃、よく花の植え替えや種蒔きを手伝った。 パンジーやチューリップが庭に咲き誇っていた。 夏にはひまわりが咲き、 種をほじりだしたのが楽しかった思い出がある。 一時期は、プチトマトやナスやネギやらと 野菜もプランターに並んでいたこともあった。 もちろん、アロエのプランターは昔からたくさん並んでいた。 ※「のぶ子、大きなお世話をする」参照 ユズの木、椿、サクランボの木、サルスベリの木、アカメの木、みかんの木、知らない木。 庭の木々が、花や実をつけるのを見ては、 のぶ子は自分がよく世話をしたからだと自画自賛していた。 うちの向かいには、 下段には遊具があり、上段は広場になっている広い公園がある。 目の前が上段の斜面なのをいいことに、 そこにも勝手にプランターを置いて長い間花を愛でてきた。 今からもう10年近く前になるだろうか。 母がいつものように公園の斜面で花の世話をしていたときのことだった。 何をどうしたのか知らないが、 溝に落ちて片足がはまったらしい。 そんなに深い溝でもない。深さは大人の膝ぐらいあるかないか。 その時、大腿骨を骨折したらしかった。 自営業をしている父はその時不在にしていたので、 母は大声でご近所さんを呼びつけたらしい。 そこからは大騒ぎ。 救急車を呼んでもらい、 父に連絡す…

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