のぶ子、花を愛でる
のぶ子は花が好きだ。
庭では花や木々を育てている。
土を入れ替え、
肥料をやり、
水をまき、
それはそれは大事にしているのだ。
そして、きれいな花を咲かせて自慢をする。
まあ、それは誰しもそうだろう。
きれいな花は自慢したくなるものだ。
花は大事にしたら言うことを聞くらしい。
子どもはちっとも言うことを聞かないとか。
子どもは自分じゃない。
子ども自身の人格を持っている。ココロがある。
言うことを聞かないからとよく叩かれた。
自分さえ思うように生きられないのに、
子どもが進む道を操作しようなんておこがましいこと。
私は母じゃない。母とは違う人格で生きている。
庭で花に向かいながらこぼす言葉は、思い通りにならない子どもへの不満。
聞かされるのもツラいもんだよ。
最近、私自身を癒やすために、過去の記憶をさかのぼってみることをやっている。
なんとか療法というやつではないけれど、
子どもの頃の記憶を癒やして書き換えられるものなら、
今の私がよりよく生きられるようにしたい。
生まれてきたこと、毎日無事に過ごせること、
ホントにありがたいことだと感謝している。
花のように黙っていられるもんじゃないから
反抗期もあったし、ココロを閉ざしたこともあった。
のぶ子を恨んだって仕方ない。
のぶ…