助手席ののぶ子、地図を読めず
のぶ子は地図を読めない。
見ることはできるのだが、
今いる地点を見つけることができないのだ。
かつては車の運転をしていたこともある。
免許を取ったのは、私が小学4年生のとき。
母が30代半ばぐらいの頃だ。
それまでは父が運転する車に乗っているだけでよかったけれど、
私が3年生の時に父が大病を患って自営業に大きな影響が出た。。
だから、やむなく免許取得に至ったというところだ。
かつてはオートマチック車がなくて、マニュアル車(ミッション車)だったから、
クラッチが上手く入れられないとエンストをするのだ。
母はよく交差点でエンストした。
右折しようと交差点内で止まったら、
次動き出せない。
気づけば黄色、赤信号と変わる。
大パニックだ。
そこは派出所が目の前にある交差点だったので、
まあ何かあればおまわりさんがすぐに駆けつけてくれただろう。
当時はなんとかエンジンをかけて抜け出せていたから
おまわりさんのお世話になることはなかった。
ただ、のぶ子の助手席に乗るのだけは恐ろしくて
子どもながら白髪になりそうだった。
極めつけが、ブレーキをかけるたびに助手席に手を伸ばして
「危ない!」って言うこと。
片手ハンドルになって横を向く方が危ないと思うのだけど。
よく事故を起こさずにいられたと神様に感謝せずにはいられない。
さて、そん…