のぶ子、蹴り負ける

のぶ子はすぐ怒る。 どちらかというと短気だ。 5人か6人姉弟の末っ子だからか、 なにかとわがままに育っている。 娘の私が言うのもなんだが、 ホントにわがままなお嬢さんだ。 周りがおだてると調子よく機嫌がいいのだが、 言うことを聞いてもらえないとすぐキレる。 まるで般若の形相だ。 子どもの頃何度それに遭遇したことだろう。 大人からすれば、怒らせるのが悪いのだという意見もあるだろう。 でも、果たしてそうだろうか。 学校から帰ってきておやつも食べずに宿題しているときに 手伝わない、と怒り出す。 宿題後回しに晩ご飯の準備の手伝いしていたら、 宿題しない、とまた怒り出す。 今手伝ってんねん! こっちがキレても、我関せずで押し通す。 まあこれは日常茶飯事。毎日のこと。 それでもなかなか子どもからしたら慣れない仕打ち。 お箸を持って食卓に向かってたら、 「お箸並べて!」と怒り出す。 マジ勘弁。 よくまあ、のぶ子の子どもをやり通したよと思う。 ある日のこと、何かとてもご機嫌なのぶ子。 私がテレビを見ていたときに話しかけてきた。 まだ小学生の中高学年ぐらいのときのこと。 座卓テーブルに飲み物置いて、 座布団に座って見ていたときだ。 テレビ番組に夢中になってたから、 話半分で返事をしていたんだろうと思う。 …

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のぶ子、お嬢さまの母になる

のぶ子はたまに女優になる。 といっても、自分の都合でそんな風を装っているだけなのだが。 普段はおばちゃん然として、 子どもの目からすれば口やかましそうな感じなのだ。 おしゃべり好きで声が大きく人付き合いがいいから、 よく言ってくださる大人たちもいたと思う。 今でもお付き合いが続いてるご近所さんがいるぐらいだから コミュニケーション能力はあるのだろう。 何度も聞かされたが、 若い頃にはモテモテだったらしい。 キャディの仕事をしていたこともあり、 ゴルフに来る社長さんたちに可愛がられ、 バナナやチョコレートをもらったことがあるらしい。 私からすれば可愛いとは思えないのだけれど、 可愛いふりをしていたのか、本当に可愛かったのか今になっては分からない。 でも、ゴルフ場で虫に遭遇しても、 「キャー」と可愛く声を上げて逃げ回るなんてことはしなかっただろう。 ※「のぶ子、ゴキブリと対峙する」参照 そういえば、たまに大人同士で上品なふりをしていたことがあった。 私が入学した大学が女子大で、 その上、お嬢様らしい人が多く通う学校でもあったから、 入学が決まった頃には特にその傾向があった。 大学からは私服なので、服を見に行ったときもそうだった。 「うちの子、(大学名)のお嬢様なんですよ」 とお店の人にまで言う始末。 そして、「んふふ♡」と笑う。 ど、ど…

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のぶ子、ゴキブリと対峙する

のぶ子はゴキブリを怖がらない。 むしろ、悪とたたかうレンジャー部隊になったかのように ゴキブリと対峙する。 子どもの頃私が住んでいた実家は山を切り崩して開発されたニュータウンで、 周りには虫がいるのが当たり前の環境だった。 チョウやバッタ、コオロギやトンボ、 夏にはミンミンゼミにアブラゼミやツクツクボウシ。 カブトムシやクワガタムシこそ滅多には見られなかったけれど、 自然が広がる空気のきれいなところで、 虫たちもたくさんいたと記憶している。 私はおままごとやお人形遊びもしたが、 なぜだか男の子が遊ぶ怪獣&ウルトラマングッズでもよく遊んでた。 そして、家の前が大きな公園だったのもあり、外での遊びもたっぷりした。 虫取り網を持って走り回ったり、木登りしたりなど、 楽しいことがいっぱいの毎日を過ごしていた。 夏には窓を開け放っていたから、 家の中に蚊だけでなくいろんな虫が飛び込んでくることがあった。 中でも蛾だけは苦手で、怖くてキャーキャー言って逃げ回ったのを思い出す。 そんな私を尻目に、母は無表情で蛾を叩き落とす。ハエたたきで。 今でこそ「ハエたたき」という道具はあまり見なくなったけれど、 かつてはハエたたきは当たり前のように家にあった。 お勝手口を開けたとたん、台所の食材に向かって猛スピードで飛んでくる。 ハエに関しては、私もハエたたきで防戦した。 子どもながら、食べ物を守るためにがんば…

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