のぶ子、入れ歯をはずす

のぶ子は入れ歯をしている。 部分入れ歯だ。 何本か歯が並んで、ピンクの歯茎のところに金具がついてる。 むかしむかし、私が小学生のときのこと。 洗面所で歯みがきし、顔を洗った後顔を上げたときだ。 目の前のコップには入れ歯がプラプカ浮かんでいた。 ぎゃーっ! 声を上げた。そりゃ上げるでしょ。 いくつか並んだ歯がごそっとコップの中に入ってたらびっくりもする。 ポリ○ントをしていたのだ。シュワシュワって。 アニメかなんかで、 口の中からごっそり歯がとれるおばあちゃんとかは見たことがあったので 入れ歯については知っていた。 だけど、歯の一部の入れ歯なんて小学生に想像できるだろうか。 のぶ子の入れ歯を見て、初めてその存在を知ったのだ。 先日樹木希林さんの特別番組を見ていたときに のぶ子と同じような入れ歯を口から出されている映画の一場面が映し出されていた。 樹木希林さんの場合は年老いた母の演技の中でのこと。 のぶ子の場合は、もっともっと若かったときのこと。 しゃべってるとき、時々もごもご口周りが動いていたのはそのせいだったのだ。 のぶ子から学ぶことは多い。 よく言えば、学びの宝庫だということだ。 ほとんどが反面教師なものだけど。 私自身の心にたくさんの傷もこしらえてくれた。 本人にはそのつもりはない。 私はそう受け取った。 子どもにとっては親が世界のすべてだから。 …

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のぶ子、行きつけでガンになる?

のぶ子には行きつけのお医者さんがある。 「お医者さんがある」 という表現は適切ではない。 なにかと行く医院があるということだ。 そして、かかりつけというよりも、 「行きつけ」というのがぴったりなのだ。 行くと顔なじみの人がいるようで、 おしゃべりできるのがいいらしい。 まるで、スタバでフラペチーノを飲みながら、 午後の時間を過ごすおしゃれな若者のような感覚とでも言うのか。 行きつけのお医者さんで時間を過ごすということが のぶ子世代の人たちのステイタスになってるのかとも思う。 私が大学生の時には、子どもの頃かかっていたお医者さんが引退されていたので、 そこに行くしかなかったから何度か行ったことはあるが、 正直、長時間にわたり院内で過ごしたいとは思わなかった。 大学生のときに発疹が出たときもその医院で診てもらったけど、 原因がはっきりしなかったのでその足で皮膚科専門医に診てもらって、 すぐに水疱瘡だと判明した。 いい先生かもしれないけど、私は選ばない。 選ぶかどうかは自分で決めたらいいこと。 だけど、やはり心配だ。 近くに大きな病院もあるから、 何かあったらそこの専門医に診てもらったらといつも言うのだが、 のぶ子は頑として聞かない。 そんなのぶ子の身に最近起こったこと。 連休前の金曜日に父から電話があって、 「お母さんがガンになったらしいねん」と言う。 えー!?前もそんなこと言…

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のぶ子、自分を自慢し、自分をほめる

のぶ子は自慢屋だ。 ちょっとしたことでもすぐに自慢をする。 ご飯を減らしてダイエットをしたと自慢げに言う。 ご飯は減らしたかもしれないが、 おやつの時間が増えているから減らしたことにはならない。 かえってカロリーが増えている。 残念だ。 なんでも自分ががんばったことを認めてほしいらしい。 それは誰しも認められたい欲求がある。 私だってそうだ。母に認めてほしかった。 子どもの頃、習いに行ってたエレクトーンのグレード試験をクリアするたび ほめてほしかった。ほめてはくれなかった。 クッキーの本を買って、可愛い型抜きクッキーを作ったときも 「硬くて食べられへん」とボリボリしながら文句を言っていた。 ほめてはくれなかった。 どうせあんたは上手にできないから、とよく言われた。 「どうせ」って言葉にずっと支配されてきた。 中学の時、中間テストや期末テストで、クラスで1番取ったときも、 学年で10番以内の成績を取ったときもほめてはくれなかった。 まだ勉強が足りないと何度も言われた。 高校生の時、彼氏ができたときに 成績が下がるから別れろと言われそうだったので 学年成績20位以内ぐらいをキープしていたときもそう。 別れろとは言わせなかったけど、ほめなかった。 小学生の時、夏休みに描いた宿題の絵が賞を取り アメリカの姉妹都市に送られたときも 全くと言っていいほど興味を示さなかった。 体育は得意…

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